近年、輸送分野において、貴重で高価な搬送物を安全かつ振動や揺れを与えずに運ぶニーズが高まっています。 これまでは、搬送物を保護するためにばねやゴム材などの柔軟な部材で支持した防振器具が用いられてきましたが、柔軟支持部材の共振により振動を増幅してしまうこともあり、必ずしも振動を抑えられているわけではありませんでした。 また、車両の傾きによる影響や加減速・右左折時の加速度によって生じる搬送物自体の揺れを防ぐことはできませんでした。
無搖動防振装置はこのような輸送分野のニーズに応えるために開発された革新的な装置です。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の防振(振動絶縁)技術と多摩川精機の空間安定化・無搖動化技術を組み合わせることにより、これらの揺れについても低減し、定量的な輸送品質を実現します。
振動や揺れに弱い航空機部品、宇宙機器部品、精密機器、文化財、美術品や、振動を避け安定した状態での移送と慎重な取り扱いを求められているワクチンなどの輸送において活用が期待されます。
※無搖動防振装置の開発は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)を受けて行われました。詳細は以下をご覧ください。
また本開発は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、株式会社データ・テック、株式会社マツイの協力を得て実施されました。
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
[JAXA様 無搖動防振装置ページ]